2008年11月10日月曜日

点と点を結ぶ事を線としない考え方

点と点を結び線とする考え方が恰も世の真理の様に語られるが、抑もその点が面積を有するのであれば点その物を大きく出来るし、歪んで大きく成れば線にもなる。
必ずしも直線だけが線ではないのに。

いつの間に世の中はこんなデジタル的ベクター的な、他人が単純化した手法の上辺だけ真似撮み食いして物事を見透かした気になっているプロセス無視のバカが増えたのだろう。

幾ら情報化社会でデジタル化が進もうと人の動きは筋肉を通す限りアナログだ。
確かに点と点の間隔を狭め分解能を上げればアナログに似せる事は出来るかもしれない。
しかしそれはデジタルであり、人間の思考が幾ら脳内の分子レベルで電気的にON/OFFしていようと複数の生きた細胞を介した時点で時間的連続性が生まれるのだから、創造性は矢張りアナログなのだ。

世の中は必ずしもそうした目的地(オブジェクティブ)と方向性(ベクトル)をハッキリさせるオブジェクト指向、即ち現地点から点を打つ様に離れて目的や目標を設置し逆算する理念型人間ばかりではないのだ。
製造業の職人達が後継者育成を放棄して来た頃からだろうが、無論どの時代でも産業の変革期には存在する事ではある。
もし昨日の自分を今日超えようと日々切磋琢磨する職人気質のアナログ的ラスター的な、技術を順方向に積み上げ蓄積して行く価値観型の人間を無視したら、その彼等2割という僅かな製造業で日本の屋台骨を支えている現状を蔑ろにしている事になる。
だからIT全盛で表層的なライフハック人間の声がでかかろうと、或は自分の様な頭脳労働者であっても絶対に寡黙な職人をどんな形であれ尊重し支える義務があると思っている。

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